医学部受験の基礎知識
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医学部の浪人率はどれくらい?浪人でも合格できるの?

医学部医学科は、他の学部と比較しても、多浪・再受験など様々な経歴の受験生の割合が多い学部です。ですが、医学部では浪人受験はよくある話だとはいっても、受験生にとって浪人年数というのは非常に大きな問題だと思います。医学部受験をするにあたり浪人の実態を把握しながら受験をする事は受験の基本です。正しい情報を身につけて、しっかりと受験をするようにしましょう。

私立医大の浪人率

私立医大の浪人率は大学によってかなり異なっています。獨協医科大学では80%近くの学生が浪人生で占められ、久留米大学では現役で合格する学生は15〜25%程度です。この合格実績は、現役生にとって非常に不安なものに写ってしまうでしょう。

医学部医学科の現役学生・浪人学生の比率を見比べてみると大学による傾向が非常によくわかります。平成30年度の医学部の入学者の動向を見てみると、埼玉医科大学では浪人生の割合が76%、一方で東京慈恵会医科大学では50.4%と入学者の中の浪人生の割合が低く、浪人生が入学するためのハードルが高い大学という印象を受けます。

私大医学部合格者の浪人率が高い学校はそもそも浪人生が好んで受ける傾向があります。さらに、現役受験生は推薦入試や地域枠などを利用して入学するケースが一定数存在することもあり、必然的に一般受験で現役生の割合が下がるという背景もあります。東京慈恵会医科大学や慶應大学、昭和大学のように都心にある医学部は進学校在籍の現役生がこぞって受験をする傾向があるので、勉強期間の長い浪人生であっても合格が難しい大学に見えるでしょう。

浪人生が入りやすいのかどうかをしっかりと検証するためには、浪人生と現役生の受験者に対する合格者の割合を比較するといいかもしれません。平成30年度の文部科学省の調査によると男子現役学生の医学部合格率が15%、女子学生では11%と調査結果が出ています。この数値を参考にしながら、各大学の数値を比較して、受験校を選定するとより正確に実態を把握できるかもしれません。

実際の浪人生合格者数を把握するためには正しい情報を集めることが重要です。私大医学部の立地・偏差値・受験生が併願する大学などの情報を見極めながら、浪人生だからという理由ではなく、自身が学びたい医学部や合格できる可能性の高い医学部を志望校に選ぶことをおすすめします。

国立医学部の浪人率と受験の特徴

国公立大学の受験でも浪人の受験者比率をしっかりと把握することが非常に重要です。一般的には偏差値の高い医学部には現役の学生受験者が多く、偏差値がそこまで高くない地方国公立大学では現役の学生受験者が少ない傾向にあります。京都大学などでは入学者のうち現役生が8割近くをしめる年もある一方で、長崎大学や琉球大学では現役生の割合が50%以下になることが多く見られます。

国公立大学の医学部は、受験地域に貢献する人材を育成するというポリシーを掲げている大学が多いです。他地域から受験を検討する時には、面接でこのポリシーに対してどのように受け答えをするのかが重要になります。全く関連のない地域の大学の医学部受験をする時には大学の需要にマッチせず、面接点が期待できないことがあるので注意が必要です。京都大学では、学科試験で合格点をとったとしても面接の結果次第で不合格と通知される旨が要項に示されています。
 

琉球大学や長崎大学、徳島大学は多浪生に人気のある医学部ですが、地元出身者優遇の傾向があるため、他地域から受験をする場合には面接点が低くても合格できるだけの学力を身に着けることが非常に重要です。地方医大は卒業後に学んだ地域で医者として働く意思のある人材が求められ、旧帝大は研究実績を上げることができるような人材の需要が高いと言うことを知っておきましょう。現役有利・浪人不利などの情報に惑わされず、受験校の求める人物像や卒業後の働き方を考えて受験校を選ぶことが大切です。

多浪でも諦めないことが大切

浪人年数が長くなってしまった学生でも、医学部受験を諦める必要はありません。受験しても受験しても合格を勝ち取れないことは、浪人生をとても不安にさせます。医学部医学科は狭き門であることに変わりはありませんが、医学部を志望する限りは合格できるだけの学力をしっかりと身につけられるように、諦めずに日々勉強に励んでいきましょう。

まとめ

医学部の受験に必要なのは何よりも合格を勝ち取れる十分な学力です。国公立私立ともに大学によって浪人の割合が異なっており、大学別の傾向を知りながら対策をすることで、勉強の効果を最大限に高めることができます。

医学部受験を行う時には、まずどのような大学であっても合格できるような学力を得るために、受験科目の基礎的な勉強を継続的に行うことが大切です。並行して、志望校を選ぶ際には現役生と浪人生の受験比率も含めて情報を精査して、志望校に適した受験対策を行っていきましょう。

 

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